マッサージで「痛気持ちいい」と感じるあの瞬間。
ただの感覚ではなく、神経と脳が“安心”を学び直している時間です。
「痛み」は決して悪者ではなく、
私たちの身体が“ここに意識を向けて”と語りかける声。
それを理解し、やさしく受け入れることが、癒しのはじまりです。
痛みを理解されたとき、安心が生まれる理由
「痒いところに手が届く」ような施術。
「そこそこ!」と感じた瞬間、
脳ではセロトニン(安心や幸福感をもたらす神経伝達物質)が分泌され、
恐怖や不安を司る扁桃体(脳の”警告装置”のような働きをする部位)の興奮が静まります。
人は“痛みを理解された”と感じるだけで、
神経が「安心モード」に切り替わるのです。
だから、コリなどで痛みやだるさを感じていた場所が、刺激によって”気持ちよく”変化していく⸻
それは、身体が理解されたことへの安堵の反応。
一緒にいると気を使って心が張りつめる相手といると、
心は傷を負いやすく、胸が痛むことがあります。
一方で、一緒にいても気が楽で、
安心して“ありのまま”でいられる相手といると、
胸の奥がふっとあたたかくなりますよね。
神経にも、心は宿っています。
筋肉もまた、人間関係のように──
“理解されるか、されないか”で身構えたり、少しずつ信頼関係を築いていきます。
筋肉はとても素直な存在。
受け取った感覚のひとつひとつが大きく影響するのです。
ゲートコントロール理論──痛みをブロックする仕組み
人の身体には、“痛みのゲート”が存在します。
Aδ線維(痛みを伝える神経)とAβ線維(心地よさを伝える神経)が
同じゲートを通って脳に信号を送るため、
心地よい刺激が優位になると、痛みの信号がブロックされる。
これが、ゲートコントロール理論(痛みの伝達をコントロールする脳科学の理論)。
やさしい刺激によってAβ線維が優位になれば、
痛みは軽減し、脳は「安全」と判断します。
つまり──“気持ちいい”は神経が痛みを上書きしている状態なのです。
痛みの先にある“安心”の設計
セラピストの手は、働きすぎた筋肉と
動きを忘れてしまった筋肉の両方に触れ、対話します。
その手から伝わる圧、呼吸、リズム。
それが神経に“安全”を教え直すレッスンになります。
筋肉が休み方と動き方を思い出すように、
身体がオンとオフを学び直すと、
神経も同じように切り替えを取り戻す。
どんなに頑張っても──
眠るときは穏やかな眠りが迎えられますように。
そのための“痛みの先の安らぎ”を、セラピストはデザインしているのです。
痛みに存在価値を見出すこと。
それは、心と身体が積み重ねてきた努力の勲章であり、大きなご褒美。
そして──癒しの連鎖反応が、また新しい何かを生み出すエネルギーになりますように。
心と身体がつながる、やさしい場所。
寝屋川のリラクゼーションサロン「BAKU・寝(バクネ)」では、
お一人おひとりの“今”に寄り添った施術をご提供しています。








